瑞穂市重里にあるめぐみ地蔵尊。地元重里ではこのめぐみ地蔵さんを大切にお祀りしており、毎年この時期地域の住民が集まり僧による読経の中、お参りをしてから楽しい夏まつりが開かれます。
お祭りの様子はほっとにゅーす、ほたる通信に掲載されますのでそちらをご覧ください。
めぐみ地蔵については言い伝えがあり、「すなみ百話」に掲載されていますのでここにそのまま紹介させていただきます。
めぐみ地蔵
重里には、めぐみ地蔵とよばれる地蔵菩薩があります。
このお地蔵さまは、京保七年(一七七二)につくられたもので、蓮華の上にすわって合掌されている大きなお地蔵さまです。
このお地蔵さまにまつわるこんな話があります。
むかし、武儀郡の関村の人たちが、大阪の石工に頼んで、お地蔵さまを作ってもらいました。
いよいよ出来あがったので関村の人たちが大阪にでかけ、船で大垣まで運び、そこから大八車にのせてせ関村へ向かう途中、重里で一泊することになりました。
お地蔵さまを道のほとりにおろして、重里の民家で一夜を過ごしました。
その夜、ここまで運んできた関村の人たちの枕もとに、お地蔵さまが現われ、
「わたしは、この土地がとても気に入ったので、どうかこの土地におろしてくれ。ここから一歩も動くのはいやじゃ。」と告げられました。
一夜明けて、村人は、お互いに夢のお告げをとりざたして、どうしたものかと相談しましたが、まとまらず、半信半疑でお地蔵さまを持ち上げようとしたところ、びくとも動きませんでした。
「これは、お告げの通りじゃ。これじゃあ、お地蔵さまを動かすこともできん。」
「ここにおまつりして、重里村(当時は十五条村)の人たちにお世話してもらおうじゃないか。」ということになりました。
そこで、村人は雨風をしのぐためのお堂を建てて、お地蔵さまをていねいにおまつりしました。
それからは、近在の村々の信仰の的となり、子授け・厄除け・豊作祈願など人々の願いをかなえてくださると言うので、いつのまにか
「めぐみ地蔵」と呼ばれるようになりました。
こうして多くの人々の信仰を集めるようになりました。
現在も毎年七月二十四日(そのママ)には、地蔵祭りが盛大に行われています。
(「すなみ百話」より抜粋)