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大垣映像プロジェクト主催、中日新聞社、中日写真協会後援で行われた「第1回樽見鉄道フォトコンテスト」には県内はもとより、県外からも多数の応募作品が寄せられました。
樽見鉄道は大垣市から薄墨桜のある根尾までを1時間で34.5km走るローカル鉄道です。前半は田園風景に溶け込むように、後半は渓谷を縫うようにいくつもの橋梁やトンネルを走るレールバスは季節、場所、時間、レールバスのラッピングなどの組み合わせで多様な姿をカメラに収める事が出来ます。
しかし、長年にわたり多くの樽見鉄道ファンが撮りつくしているため、斬新な写真を撮る事が難しいテーマでもあると思います。そんな中、果敢に挑みたくさんの方が応募された事をお聞きして、樽見鉄道沿線の町に住んでいる私はとても嬉しく思いました。
応募作品は田中清文先生(岐阜県芸術文化会議副会長)により厳正に審査され、樽見鉄道部門の入選作品10点、入賞作品10点、佳作作品5点 自由作品部門の入選作品5点、入賞作品5点、佳作作品2点が選ばれました。
作品は3月1日~31日樽見鉄道レールバス車内で、4月6日~4月11日まで大垣市の夢香房さんのギャラリーでそれぞれ展示されました。また3月26日~4月30日は大垣共立本店3F OKBギャラリーで展示されています。
夢香房さんでの写真展最終日、4月11日には審査をして下さった田中先生をお招きして、コンテスト入賞者の表彰式が行われ、そのあと先生による講評がありました。
表彰式前から入賞者の皆さんや来場者の皆さんが熱心に作品を鑑賞され、写真に対する真剣な思いがひしひしと伝わってきました。
中には写真を通じての長年のお仲間もいて、和やかな中にも熱いトークが繰り広げられていました。
中日新聞社賞 「ローカルな春」 近藤 稔様
中日新聞社協会賞 「秋の樽見鉄道」 田口治幸様
田中先生:わざわざ遠くへ撮影しに行かなくても、身近な所にも写真を撮るものはたくさんあります。いままで見た事のない独自性、個性が出る作品を撮るように心がけると良いです。
お話の後、一つ一つの作品について、説明やどのような所に気を配って撮影したのかなどを聞いて、それに対して丁寧に講評をしていかれました。
同じ構図でもレールバスの色で良かったり悪くなったり、ここは要らないのではないか、こうすると奥行がもっと出る、まとまりすぎている、などとても分かりやすく、皆さんうなずきながら真剣に聞いていました。写真を鑑賞する側としてもとても興味深く、こんな機会が多くあればいいなと思いました。
先生も参加した皆さんも作品の撮影場所を熟知しておられ、これはどこどこ、このトンネルはどこと言う話が次々と出てきます。
田中先生と中日写真協会高橋西濃支部長様の作品も招待作品として展示されていました。
この写真展を主催する大垣映像プロジェクトの早川さんは写真の技術だけではなく、写真を通じて地域を発信する事を目的とされています。そのため携帯写真でも気軽に応募して下さいと言われています。
それを真に受けた私も応募しようと思い、しし鍋列車を始め紅葉、柿、雪の時期に何度もレールバスに乗車、また車で線路沿いをドライブして携帯でかなりたくさんの写真を撮りました。一番撮りたかったのはレールバスからの渓谷の写真。実際にとってみると角度が良くない、座る場所を間違えた、いいと思ったら鉄橋が中途半端に入ったりとひとつとしてベストショットはありませんでした。
それでも何度も乗車するうちにレールバスからの狙い所はいくつか頭に入る様になりました。次回はぜひ挑戦してみたいと思っています。